2015
Dec
23
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「手話は言語」 習志野市議会が千葉県内初の条例可決
「手話は言語」 千葉県習志野市議会が県内初の条例可決(2015年12月22日配信『東京新聞』)
習志野市議会12月定例会は21日の本会議で、共生社会実現のため、手話をはじめ障害に応じた情報取得・コミュニケーションを保障する条例案を全会一致で可決した。「手話は言語」と定め、情報保障もセットにした条例は兵庫県明石市に次いで全国2例目。手話言語にしぼった条例は全国29自治体が制定し、県内では初の成立となる。来年4月1日から施行する。
正式名称は「市手話、点字等の利用を進めて、障がいのある人もない人も絆(きずな)を深め、互いに心を通わせるまちづくり条例」。さまざまな障害のある当事者・支援団体、連合町会、商工会議所の代表ら20人でつくる条例策定協議会が試案をまとめた。会長は全日本ろうあ連盟の久松三二(みつじ)事務局長で、手話で議事進行された。
共生社会の実現のため、市には必要な施策を行う責務を課した。市と市民、市民団体・事業者の三者に、障害者から助けを求められたら、負担になりすぎない範囲で行動を起こすよう求めた。ただ市民と市民団体・事業者には、市より拘束力が弱い努力義務とした。市障がい福祉課は「普段から近所に住む人の障害の種類、程度を理解しておけば必要時のコミュニケーションが円滑になる」と話す。
手話普及策として市に、市民への学習機会の提供、聴覚障害者の使用機会の確保、講座やイベントを手話で通訳する環境整備などを求めた。市は現在、登録手話通訳者7人と要約筆記者1人を確保。聴覚障害者が診療や学校の保護者会などに同行を望む場合、無料で派遣している。
情報保障では、生活のあらゆる場面で障害のない人と同等レベルを提供する。視覚障害者には点字や音声など、知的障害者らには絵カードや文字盤など障害に応じた手段で円滑なコミュニケーションを保障する。
条例成立を受け、市はパンフレットを作製、4月以降配布し周知する。通常版に加え、平易な言葉版も作る。障がい福祉課は「漢字にかなをふったり、行間を広げて見やすくしたり、分かりやすいパンフレット作りに努める」と話す。
◆「大事な言葉理解を」佐々木・市聴覚障害者協会会長
条例の試案作りにも携わった市聴覚障害者協会会長の佐々木巌(いわお)さん(63)は「私にとって、手話は大事な言葉。条例成立で徐々にではあっても、理解が広がることを期待する」と話す。
声を出せず、音も聞こえない佐々木さんは普段、手話で表現し、相手の目と手の動きを読み取ってコミュニケーションを図る。難聴の妻と、聴覚障害のない長女と3人暮らし。家族だんらんは手話で行う。
手話表現も人それぞれ。「男」は一般的に親指を立てるが、「ネクタイを締める動作だったり、髪の毛を七三に分ける身ぶりで示したりもする」。手話には高齢世代には通じない「若者言葉」もあるという。
課題は震災時だ。4年前の東日本大震災。佐々木さんの妻は聴覚障害のある仲間と市内のバス停にいた。「行列ができていたが、情報がなく、理由も分からず並んでいたので不安になった、と妻が話していた」。条例には、災害時の緊急情報を、障害に応じた伝達手段で迅速かつ的確に伝えることも市の責務として盛り込んだ。市民も負担にならない範囲で、情報を伝える努力が求められることになる。
だが手話のできる人はまだ少ない。佐々木さんは「筆談でも簡単な身ぶりでもいいのでコミュニケーションを取ってほしい。文章が苦手な人もいるので絵を描いてもいい」と話す。慣れるために手話サークルへの参加も勧める。
条例の詳細➡ここをクリック(タップ)
広報Y.T
習志野市議会12月定例会は21日の本会議で、共生社会実現のため、手話をはじめ障害に応じた情報取得・コミュニケーションを保障する条例案を全会一致で可決した。「手話は言語」と定め、情報保障もセットにした条例は兵庫県明石市に次いで全国2例目。手話言語にしぼった条例は全国29自治体が制定し、県内では初の成立となる。来年4月1日から施行する。
正式名称は「市手話、点字等の利用を進めて、障がいのある人もない人も絆(きずな)を深め、互いに心を通わせるまちづくり条例」。さまざまな障害のある当事者・支援団体、連合町会、商工会議所の代表ら20人でつくる条例策定協議会が試案をまとめた。会長は全日本ろうあ連盟の久松三二(みつじ)事務局長で、手話で議事進行された。
共生社会の実現のため、市には必要な施策を行う責務を課した。市と市民、市民団体・事業者の三者に、障害者から助けを求められたら、負担になりすぎない範囲で行動を起こすよう求めた。ただ市民と市民団体・事業者には、市より拘束力が弱い努力義務とした。市障がい福祉課は「普段から近所に住む人の障害の種類、程度を理解しておけば必要時のコミュニケーションが円滑になる」と話す。
手話普及策として市に、市民への学習機会の提供、聴覚障害者の使用機会の確保、講座やイベントを手話で通訳する環境整備などを求めた。市は現在、登録手話通訳者7人と要約筆記者1人を確保。聴覚障害者が診療や学校の保護者会などに同行を望む場合、無料で派遣している。
情報保障では、生活のあらゆる場面で障害のない人と同等レベルを提供する。視覚障害者には点字や音声など、知的障害者らには絵カードや文字盤など障害に応じた手段で円滑なコミュニケーションを保障する。
条例成立を受け、市はパンフレットを作製、4月以降配布し周知する。通常版に加え、平易な言葉版も作る。障がい福祉課は「漢字にかなをふったり、行間を広げて見やすくしたり、分かりやすいパンフレット作りに努める」と話す。
◆「大事な言葉理解を」佐々木・市聴覚障害者協会会長
条例の試案作りにも携わった市聴覚障害者協会会長の佐々木巌(いわお)さん(63)は「私にとって、手話は大事な言葉。条例成立で徐々にではあっても、理解が広がることを期待する」と話す。
声を出せず、音も聞こえない佐々木さんは普段、手話で表現し、相手の目と手の動きを読み取ってコミュニケーションを図る。難聴の妻と、聴覚障害のない長女と3人暮らし。家族だんらんは手話で行う。
手話表現も人それぞれ。「男」は一般的に親指を立てるが、「ネクタイを締める動作だったり、髪の毛を七三に分ける身ぶりで示したりもする」。手話には高齢世代には通じない「若者言葉」もあるという。
課題は震災時だ。4年前の東日本大震災。佐々木さんの妻は聴覚障害のある仲間と市内のバス停にいた。「行列ができていたが、情報がなく、理由も分からず並んでいたので不安になった、と妻が話していた」。条例には、災害時の緊急情報を、障害に応じた伝達手段で迅速かつ的確に伝えることも市の責務として盛り込んだ。市民も負担にならない範囲で、情報を伝える努力が求められることになる。
だが手話のできる人はまだ少ない。佐々木さんは「筆談でも簡単な身ぶりでもいいのでコミュニケーションを取ってほしい。文章が苦手な人もいるので絵を描いてもいい」と話す。慣れるために手話サークルへの参加も勧める。
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広報Y.T