2017/08/17.Thu

三ツ境南口商店街 「筆談OK」で買物しやすく 社会 聴覚障がい者に呼びかけ(2017年8月17日配信『神奈川県タウンニュース」)

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参加31店舗にボードを設置

 聴覚障がい者が買い物しやすい商店街にしようと、神奈川県横浜市瀬谷区三ツ境南口商店街が今月5日、「ミックルUD(ユニバーサルデザイン)プロジェクト」と銘打った事業をスタートさせた。参加店舗に、筆談用ボードと「筆談OK」を示すステッカーを設けて、受け入れ態勢をPRする。関係者によれば、このような取り組みは全国でも初になるという。

 ユニバーサルデザインとは、年齢・性別・障がい・国籍・能力などに関係なく、誰もが利用できる製品やサービスなどの設計を意味する言葉。このプロジェクトも、「みんなが来やすい商店街」を目指すとしており、2015年に県手話言語条例が施行されたことなどを踏まえ、聴覚障がい者を対象としている。商店街によれば、瀬谷区には県立の養護学校(2校)と支援学校、市立の高等特別支援学校があり、障がい者が訪れる頻度が高い街だとも言えるという。また、障がい者手帳交付の人口割合も、18区で最も高い(17年3月)。

 プロジェクトに参加しているのは、飲食店・コンビニ・美容院・小売店・不動産など31店舗。店主らは、聴覚障がい者への聞き取り調査をもとに作られたマニュアルに基づき、筆談ボードを用いて接客する。

 参加店舗の目印は、デザインアーティスト門秀彦さんが創作したオリジナルステッカー。門さんは、手話を取り入れた作品を手掛けている人物。このステッカーには、耳が手の形をしており、手話でコミュニケーションを図る動物「ジラファン」と、商店街のマスコットキャラクター「ミックル」が描かれている。また、商店街や区役所などで配布しているマップでも、対応店舗を確認できる。

「気軽に利用して」

 今月5日、三ツ境駅周辺で開かれた「白姫まつり」においてスターティングセレモニーがあり、森秀毅区長や田村雄介県議会議員などが見守るなか、ステッカーが発表された。また、手話をダンスに盛り込んだ音楽グループ「HAND SIGN」がパフォーマンスを披露して会場を沸かせた。

 セレモニーを訪れていた瀬谷区聴覚障害者協会の遠山和保会長と大岡一夫元会長はプロジェクトについて、「こうした取り組みが始まると聞いて驚いたし嬉しい。瀬谷から広がっていけば」と期待を寄せた。プロジェクトリーダーの菊池昭広さんは、「ステッカーは、聴覚障がいの方を受け入れますという意思表示です。気軽に利用して欲しい」と呼びかけた。



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手話OKな商店街 三ツ境駅前31店、従業員ら心得学ぶ(2017年8月5日配信『神奈川新聞』)
聴覚障害者を歓迎

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手話で聴覚障害者を迎える城田会長(右奥)ら商店街関係者=横浜市瀬谷区

 横浜市瀬谷区の相鉄線三ツ境駅前にある二つの商店街が、聴覚障害者の積極的な受け入れを進めている。従業員らが心得を学び、店頭にステッカーを張り、手話や筆談などでの対応ができることを表示。関係者は「誰でも来やすい商店街を目指したい」と話す。

 企画したのは三ツ境駅前商店会と三ツ境商工会。加盟計118店舗のうち、31店舗が参加を表明している。

 三ツ境駅前商店会会長の城田三起三さん(65)は「障害者を受け入れる第一歩。聴覚障害者の耳となり、二つの商店街を多くの人に知ってもらえる機会にしたい。地元に求められる取り組みでパイオニアになって、全国に広めたい」と意気込む。

 区高齢・障害支援課によると、2017年3月末の区内の障害者手帳交付者(身体、知的、精神)は計6802人。人口に占める割合は5・42%(市平均4・28%)で、市内18区で最も高い。県が15年に手話言語条例を施行したことを踏まえ、聴覚障害者を対象にした事業から着手した。

 昨年末にプロジェクトを発足。発起人の一人で同商店会の役員、菊池昭広さん(34)は、障害の有無や年齢にかかわらず誰でも使いやすいよう設計する「ユニバーサルデザイン」を大学で学んだ。「健常者、障害者が近寄りがたく感じる壁を取り除きたい」

 先月下旬には参加店で働く人たち向けの勉強会を開き、菊池さんが講師役を務めた。「支払時の金額は間違えないようにホワイトボードを活用する」「表情が一番のコミュニケーション手段。大切なのは気持ち」などとアドバイスした。

 参加するマッサージ店店長の大津明子さん(42)は父親が聴覚障害者で、母親が手話通訳者。「障害者の不安を解消し、違いを受け入れる社会へ力になりたい」と話す。

 協力店マップやステッカーのデザインは、地元神社の例大祭「白姫まつり」が開かれる5日に披露される。同日午後7時半からは記念式典を開催し、ダンスに手話を取り入れたパフォーマンスグループ「ハンドサイン」のミニライブも開かれる。

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2017/08/03.Thu

夢舞台 障害ある子にも デフリンピック最多メダル 選手団帰国(2017年8月3日配信『東京新聞』)

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帰国した、デフリンピックの陸上競技でメダルを獲得した選手たち=1日、成田空港で

 トルコ・サムスン市で開催された聴覚障害者の国際総合スポーツ大会「デフリンピック」で、金メダル六個を含む、過去最高のメダル27個を獲得した日本選手団の大多数が1日夜、帰国した。選手らは「障害のある子どもたちにも夢が持てる大会にしたい」とさらなる活躍を誓った。

 成田空港には家族や友人が多数集まり、手話で「拍手」を意味する、両手を顔の前でひらひらさせるポーズなどで歓迎。選手らは「出発時には、これほど注目されていなかったのに」と驚きの声を上げた。

 陸上男子200メートル、400メートルリレーで2つの金メダルを取った山田真樹選手(20)=東京都文京区=は「応援してくれる人たちが盛り上がってくれて最高の気分」と笑顔。リレーでアンカーを務めた佐々木琢磨選手(23)=宮城県柴田町=は「大会出場が地元の新聞で報じられ、たくさん応援をもらい力になった」と語った。

 棒高跳び3位の滝沢佳奈子選手(17)=横浜市=は「たくさんの人に祝福されて、日本の代表であることを実感した」と照れたような表情をみせた。

 16年ぶりに優勝した女子バレーボールチーム。前島奈美選手(29)=鳥取市=は「全員で勝ち取った金メダル。支えてくれたスタッフに感謝したい」。尾塚愛実選手(19)=鹿児島県阿久根市=は「ハンディのある人たちの励みになれたらうれしい」と話した。

 五輪やパラリンピックに比べ、デフリンピックの知名度は低いが、陸上の山田選手は「今回ほかの競技も含めてSNS(会員制交流サイト)上で話題になり、盛り上がりを感じた。もっと活躍して、五輪やパラと同じような扱いを受けるようになれば」と期待する。

 女子バレーの山崎望選手(33)=高知県室戸市=は「健常者にとってのオリンピックのように、聴覚障害のある子どもたちにも、デフリンピックが夢や目標になってほしい。『私たちもヒーローになれるんだよ』と伝えたい」と力を込めた。



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2017/06/04.Sun

海上遭難、チャットが救う 聴覚障害者4人を無事救助 愛知沖(2017年6月4日配信『共同通信』)

 愛知県西尾市一色町沖の三河湾で3日夜、転覆したプレジャーボートにつかまるなどしていた46~51歳の会社員の男性4人が救助された。4人は聴覚障害があり、うち1人が携帯している端末で、チャットの文面をオペレーターが伝える「電話リレーサービス」を使い、救援要請した。4人にけがはなかった。

 衣浦海上保安署によると、プレジャーボートは3日午後5時半ごろ、何らかの不具合でエンジンが停止。海水が船内に入り込み、その後、転覆したとみられる。

 午後7時15分ごろに、4人のうち1人が「エンジントラブルでボートが止まってしまい、救助を求めている」とオペレーターに連絡をした。通報を受け、巡視船が約4時間後に救助した。

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電話リレーサービス➡ここをクリック(タップ)

PCまたはスマートフォン・タブレット端末
※開発中の専用システムはiOS端末ではお使えない(2017年4月1日現在)



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2017/04/15.Sat

鳥取県、職員採用に手話コース(2017年4月14日配信『朝日新聞』)

◆来春から、知事「エキスパートを」

 鳥取県の平井伸治知事は13日の定例会見で、来春採用する県職員の採用試験で手話ができる人を採用する「手話コース」を設ける方針を明らかにし、「手話を使いやすい地域づくりをめざす鳥取県として、職員採用の新しい形を提案したい」と述べた。17日の県人事委員会に提案する。

 県人事企画課によると、採用人数は1人。これまで福祉と心理の2コースがあった「社会福祉」に新設する。手話通訳士など手話に関する資格を持っている人を想定している。

 会見で平井知事は昨年10月の県中部の地震に触れ、「避難所での聴覚障害者への配慮措置も組み込む必要がある。県庁の中にも手話のエキスパートのような方がいてもいい」と述べた。政策の企画立案に経験や知識を生かしてもらうことを考えているという。

 平井知事は来春の県職員採用試験で民間企業の経験者を対象に「情報発信・広報コース」「鳥取ブランド創造コース」「観光振興コース」を新設し、各1人を募集する方針も示した。

 
 
 なお、鳥取県の手話通訳士は21人。全国では、3506人。愛媛県は40人(2017年3月28日現在)。

詳細は、聴力障害者情報文化センター➡ここをクリック(タップ)



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2017/03/12.Sun

第23回夏季デフリンピック競技大会 サムスン2017(全日本ろうあ連盟)

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 7月18日から30日トルコ・サムスンにおいて、第23回夏季デフリンピック競技大会が開催される。これに合わせデフリンピックを盛り上げて全日本ろうあ連盟スポーツ委員会で、特集ページを設けた。

特設サイト➡ここをクリック(タップ)



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2016/08/20.Sat

手話条例周知へ親子教室やタブレット 浜松市

手話条例周知へ親子教室やタブレット 浜松市(2016年8月19日配信『静岡新聞』)

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タブレット端末を使って遠隔地の通訳と会話する利用者(左)と市職員(右)=18日午後、浜松市中区

 浜松市は4月に施行した手話言語条例を普及啓発する活動を本格化させている。18日には市役所で親子手話教室を初開催したほか、各区役所に配備したタブレット端末のテレビ電話機能を使った手話通訳も実施している。

 同条例は手話を言語と認め、理解と普及を図る目的で、静岡県内では浜松と富士宮の2市で施行されている。

 18日の親子手話教室は幼い時期に手話と触れる機会を設けるとともに、親世代への波及を狙った。小学生以下の子どもや保護者計65人が参加し、浜松ろうあ協会会員の指導で聴覚障害について理解を深めた。クイズや歌を楽しみながら手話を覚え、表情や身ぶりの大切さも学んだ。

 市の全職員を対象にした講習会も6月に実施した。9月から5週連続の初心者向け講習会も開始し、現在、38人にとどまる市内の手話通訳者の育成につなげる。

 手話通訳用タブレット端末は市内の各区役所7カ所に配備した。手話通訳者が不在の時、本庁や他の区役所などの遠隔地と映像をつないで窓口対応を可能にした。4月から4カ月余りで利用は9件。映像の見づらさなど課題もあるが、利用者も緊急時の道具として理解を示している。対応する手話通訳者は「筆談も可能だが、顔を見て会話できるのは利用者の安心感につながるはず」と話す。

浜松市手話言語の推進に関する条例➡ここをクリック(タップ)



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2016/08/17.Wed

障害者の戦争体験

障害者の戦争体験(2016年8月16日配信『宮崎日日新聞』-「くろしお」)

 「終戦の日」のきのう、先輩記者からもらった一冊の本を読みながら過ごした。障害者の太平洋戦争を記録する会(仁木悦子代表)編「もうひとつの太平洋戦争」(立風書房)。

 未曽有の被害、人命を代償にようやく終わった戦争のさなかに、体の不自由な人たちがどのように暮らし、どんな体験をしたか。記録する会の呼びかけに応じ、全国から集まった障害者の手記をまとめたものだ。初版は国際障害者年だった1981年に出された。

 本に収録された手記のほとんどは、隊列を組めないことなどを理由に「非国民」と呼ばれ、いじめられた経験を持つ。生まれつき視覚および言語障害があった男性は徴兵検査の日、まっすぐ歩けず教官から「ばか野郎」とののしられた。

 脳性まひの女性は疎開先での胸痛む体験を寄せている。東京ではかばってくれた優等生タイプの男の子が疎開先で自分がいじめられる立場になると一転矛先を一番弱い女性に向け、「デーンキジカケ、デーンキジカケ」とはやし立てるような子に変貌したという。

 12歳のときの空襲下、おじに背負われて逃げ回り、助かった脳性まひの男性の脳裏には大きな疑問と恐怖が重なりあっている。それは「あの空襲のさなかに成人した重度障害者たちがどのように殺されていったか」ということだという。

 江戸川乱歩賞作家で自身が障害者でもあった仁木代表は手記集の「編集を終えて」の中で次のように書いた。「戦争というものは、つねに、弱い者、小さい者、無名の者を踏みにじって驀進(ばくしん)していく」と。心に刻んでおきたい言葉である。



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2016/08/11.Thu

タブレットで手話通訳 滋賀県東近江市が蒲生、能登川支所で

タブレットで手話通訳 東近江市が蒲生、能登川支所で(2016年8月11日配信『中日新聞』)

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タブレットを使い、テレビ電話で支所と通話する手話通訳員=東近江市役所で

 滋賀県東近江市は、耳が不自由な市民が支所窓口を訪れた際、タブレット端末を介して手話通訳に応じるサービスを始めた。県内では初の試みで、画面サイズ11・6インチの専用タブレットを3台導入した。

 市では本庁舎に手話通訳員3人が勤務するが、支所には常駐していない。これまでは定期的に支所に職員を派遣したり、手話を必要とする人と事前に日程調整する必要があった。

 今回のサービスは、本庁舎と支所をテレビ電話でつなぎ、来庁者と支所職員との意思疎通を本庁舎にいる手話通訳員が補助する仕組み。タブレットは持ち運べるため、本庁舎にある他部署との連携も取りやすくなる。

 市は、本年度当初予算に約25万円を計上していた。

 市障害福祉課によると、市内に住む手話を主なコミュニケーション手段にする人は約40人。サービスは対象者が比較的多い蒲生支所と能登川支所で今月1日から始め、需要をはかった上で他支所でも導入を検討する。

 市の担当者は「自分の都合に合わせて支所に行けるようになる。気軽に利用してほしい」と話している。

 利用は、平日午前8時半~午後5時15分。

 なお、愛知川に沿って鈴鹿山市脈から琵琶湖岸まで東西に長い市域を持つ、滋賀県の東部の東近江市の人口は、115,217人(2016年8月1日現在)



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2016/05/31.Tue

聴覚障害者初のエベレスト登頂・田村聡さん 勇気出せば道は開ける

聴覚障害者初のエベレスト登頂・田村聡さん 勇気出せば道は開ける(2016年5月30日配信『東京新聞』)

聴覚障害者として世界で初めてエベレスト(8、848メートル)の登頂に成功した登山家の田村聡(さとし)さん(51)=東京都立川市=が29日、下山後のネパールの首都カトマンズで本紙の取材に筆談で応じた。喜びに顔をほころばせながら、「好きな事をチャレンジしてみると良い。勇気を出せば道が示される」と記し、「挑戦」と大書した。

 21日の登頂成功から8日。田村さんは「頂上から見た青い空、雲海の合間にのぞく山は神秘的だった」と感動を表した。世界最高峰へのアタックはこれが3年連続3回目。初回は頂上まであと一息のところまで迫りながら、強風のため断念した。

 今回も酸素ボンベのマスクが凍り、呼吸が苦しくなるアクシデントに見舞われた。「過去2回の教訓が生かされた。一刻も早く登りたい、というはやる気持ちを抑え、正しい判断ができたと思う」

 山好きの父と祖父の影響で、13歳の時から登山を始めた。これまでの山行は1000回以上。聴覚障害者の場合、同行する登山者の合図が聞こえなかったり、自分が遭難しても声を上げて助けを呼ぶことができないなど、健常者にはない危険が伴う。「一番のハードルは落石の音に気付かないこと。これは不安です」と打ち明ける。

 「障害者に対する偏見や差別が色濃く残る世の中が変わることを信じています」と力強く書いた田村さん。今後の目標を尋ねると「今は考えていない。でも山登りは続けます」。6月3日に帰国する予定という。

◆シェルパと命の二人三脚

 エベレストの登山に、荷物の運搬と案内役を務めるシェルパの支えは欠かせない。田村さんはネパール人男性のシェルパ(38)と二人三脚で登頂に挑んだ。別ルートでエベレストを4回登頂している中堅クラスで、今回が初顔合わせだったという。「危険な場所にザイルを張って、的確に安全なルートを確保してくれた。命を預ける存在であり、非常に助けられた」と田村さんは振り返る。

 1990年代以降、商業登山の増加に伴ってシェルパの需要が増え、シェルパの中には大金を稼いで会社を経営する者も現れた。

 一方、シェルパが死と隣り合わせの危険な仕事であることは今も昔も変わらない。2014年4月にエベレストで起きた雪崩事故では16人のシェルパが犠牲になり、「消耗品」として扱われたことに怒ったシェルパたちが、ネパール政府に補償金を求めてストライキを行う騒ぎとなった。

<田村聡(たむら・さとし)> 1965年1月、東京都立川市生まれ。生まれつき聴力障害があり、都立立川ろう学校高等部卒。13歳の時、父や祖父の影響で奥多摩や北アルプスを登り、2002年8月には西欧の名峰モンブラン(4810メートル)に登頂。16歳で中型免許を取得。マシントラブルに見舞われ、完走は逃したものの、世界一過酷なレースと言われるパリ・ダカールラリーの二輪車部門にも挑戦した。今は不動産のビル管理の仕事をしている。両親と3人暮らし

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29日、カトマンズで、メッセージを書いた色紙を手にエベレスト登頂成功を喜ぶ田村聡さん

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2016/03/21.Mon

当事者置き去り 異議噴出 神奈川 県の「手話推進」計画素案に意見2・4万件

当事者置き去り 異議噴出 県の「手話推進」計画素案に意見2・4万件(2016年3月21日配信『神奈川新聞』)
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手話通訳が配置された県「手話言語普及推進協議会」=2月 県庁

 手話の普及に向け、神奈川県が進める施策の方向性を示す「県手話推進計画」の素案に対するパブリックコメント(意見募集)に、過去最多となる2万4千件超の意見が寄せられた。生活上の不自由を訴える聴覚障害者らから切実な意見が殺到した形だが、肝心の手話で意見を提出する機会が限られていたため、手法に異議が噴出。計画について話し合う「手話言語普及推進協議会」を追加で開催する異例の展開になっている。

■切実な訴え 手話推進計画は、県手話言語条例で策定が義務づけられている。条例は「手話は言語」との認識に立ち、2014年12月に県議会へ議員提案されて成立。昨年4月に施行された。県は昨年12月に計画の素案を取りまとめ、12月24日から1カ月間にわたりパブコメを実施していた。

 3月の県議会で報告された結果によると、意見の総件数は2万4767件(6757人、21団体)。これまでの県のパブコメで過去最多だった県動物愛護管理推進計画素案の4398件を大きく上回った。

 集まった意見には手話を使う機会や手話通訳の充実を求めるものが多い。「病院に手話通訳者を配置してほしい」「災害や電車の事故など緊急時の情報がすぐに入ってこない」-。切実な声が寄せられている。

■動画記録も 総件数には数えられていないが、DVDなどの記録媒体で提出された意見も75件(47人)あった。ろう者らが手話による意見を動画で記録したもの。この扱いをめぐって2月の協議会が紛糾した。

 県が決めた意見の提出は、日本語による文章をメールやファクス、郵送で伝える手法が主体。手話通訳を通じてろう者と盲ろう者が意見を伝える会場の設置は計2日間に限られていた。県聴覚障害者連盟は、期間中にいつでも手話によって意見が出せるよう要望したが、受け入れ態勢の不備や時間的な制約を理由に県が踏み切れなかった経緯がある。

 協議会では動画の内容の詳細は報告されず、委員の有識者やろう者から「行政上の手続きをただ踏めばよいとなれば、当事者が置き去りになる」といった批判が相次いだ。

 折しも障害を理由とするサービスの拒否や制限を禁じる障害者差別解消法が4月に施行され、社会的障壁を取り除く「合理的配慮」が国や自治体に義務づけられるが、今回のケースは現実とのギャップに早くも直面した形だ。

■特性理解を 手話を言語として日常的に使うろう者の立場で委員を務める同連盟の河原雅浩さん(55)は「『手話でなくても日本語の文章で伝えられる』という認識は、多くの健聴者が持っている誤解」と強調する。

 手話には独自の語彙(ごい)や文法体系があり、単に日本語を手や表情で変換したものではない。だが、ろう学校で口話法教育が推進され、手話の使用が制約された歴史的経緯もあった。河原さんは、ろう者にとっては手話が自然な表現法である実情への理解を訴える。「幼少時から聞こえない人の場合、健聴の子どもと同様に日本語を聞いて覚えることは難しい。日本語は外国語」

 委員の意見を踏まえ、県は動画で提出された意見を日本語に翻訳し、パブコメの意見と同等に扱う方針だ。計画は22日の追加協議会を経て4月に始まる見通しで、計画自体を手話で公表する準備も進めている。

 協議会副会長の小川喜道・神奈川工科大教授は「手話言語の特性を理解していない聴者優先の感覚に陥っていたことが要因の一つ。ろう者への理解という前提があって初めて、県民が手話を知り学ぶことにつながる」と指摘している。

■手話推進計画案の主な内容
(1)手話の普及
・手話講習やシンポジウムの開催、記念日の創設
・県民向けリーフレットや動画作成

(2)手話に関する教育、学習の振興
・児童、生徒向けの学習教材の作成
・教員向けの手話研修

(3)手話を使用しやすい環境整備
・県職員対象の手話講習などの機会拡充
・災害時などに手話で意思疎通できる環境整備
・手話通訳者の計画的な養成、派遣機会の拡充

■県手話言語条例のポイント

・ろう者とろう者以外の人が共生できる地域社会の実現を目指す
・県は手話の普及などを推進する責務を持ち、計画を策定、実施しなければならない
・県民は手話に対する理解を深めるよう努める
・事業者はろう者へのサービス提供や雇用で、手話の使用に関して配慮するよう努める

神奈川県手話言語条例➡ここをクリック(タップ)



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